生命保険もあまり役立たず

入社して半年ほど経ったころ、昼休みなどに、よく生命保険の女性外交員が、尋ねてきた。総務部の許可を得ての訪問で、団体扱いの会社の許可も取ったので、当社の生命保険に入って頂ければ、少し保険料が安くなるという振れ込みだった。初めのうちは、「そのうちに入る」と受け流していたが、新入社員に狙いを定めた勧誘で、菓子折りまで置いていくようになり、入社後1年ほど経ったころ、勧誘の根気に負けて、生命保険に加入したのを、覚えている。30年満期で、死亡保険がたった50万円という、今からは考えられないような保険だったが、月収が3万円くらいだったときの話だから、50万円でも大金だった。
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生命保険は、そのままの状態で、40代の声を聞くまで放置してあったが、時代に合わなくなり、30年満期で死亡保険1000万円、満期保険700万円と言うのに入りなおした。このとき、21日以上入院する大病を患えば、一日5000円の入院費補助が出るという、付帯事項をつけた。一番役だったのはこれで、定年退職後5年経ったころ、私は突然、片耳が聞こえなくなる良性の脳腫瘍をわずらい、摘出手術をした。良性のため転移なく、今は回復し、10年以上も再発していないが、このときの入院では、この付帯事項が役だったのである。18日目ごろ、「もう退院してもいい」と病院から言われたが、21日目まで置いてもらって、一日5000円の入院補助費21日分を、しっかり受け取った。
しかしこの生命保険も、もう満期を迎えたが、年金生活に入って、生活費が不足し、生命保険から少し借り入れたので、700万円を割り込む額しか手に出来なかった。この生命保険も、老後のためには、それほど役に立っていないというのが実情である。今は、ガン保険など、様々な医療補助のついた生命保険があるが、私は、その何れにも、加入していない。ただ医療面からの社会保障は、健康保険だけでは不十分で、とくに国民健康保険料が支払えない人が増え、国民皆保険の原則が崩れ始めている今、その不十分な医療保障を、民間の生命保険が、わずかに補完しているという面もあることは、否定できない。